混合診療って何でダメなんだっけ?

HIRO

日本では、保険診療と保険が適用されていない自由診療を、一連の診療行為の中で並行して行う混合診療は禁止されています。今回はその理由や意味について考えていきたいと思います。

混合診療とは?

一連の診療行為の中で、「保険で認められている治療法」(保険診療)+「保険で認められていない治療法」(自由診療)=「混合診療」となり、日本では禁止されています。もし混合診療となった場合は、初診時に遡って自由診療という取扱となります。

(混合診療の一例)

がん腫瘍に対し、抗がん剤治療(保険診療)を行っている最中に、日本ではまだ未承認の抗腫瘍薬剤の投与(自由診療)を行う

⇒この場合、初診時に遡って自由診療としなければいけません。

HIRO

「一連の診療行為」というところがポイントです。例えば、風邪をひいたため、内科にて風邪薬を処方してもらい(保険診療)、そのまま同一医療機関にて、美容のために美容整形手術(自由診療)を行った場合、一見すると、保健診療+自由診療のため混合診療に該当するかのようにみえますが、それぞれの原因となる疾患や治療の目的が異なるため、一連の診療行為とはいえず、一般的には混合診療とはなりません。(あくまで一般論です)

混合診療を解禁した方が患者にとってメリットなのでは?

HIRO

一見、そのようにも考えられますが、厚生労働省及び日本医師会等は以下の理由により、混合診療に対し否定的なスタンスを示しています。

<厚生労働省の見解>

  • 本来は保険診療により一定の自己負担額において必要な医療が提供されるにもかかわらず、患者に対して保険外の負担を求めることが一般化すれば、不当な患者負担の増加を招くおそれがある
  • 安全性、有効性等が確認されていない医療が保険診療と併せ実施されてしまえば、科学的根拠のない特殊な医療の実施を助長するおそれがある

<日本医師会の見解>

  • 政府は、財政難を理由に、保険の給付範囲を見直そうとしているため、混合診療を認めることによって、現在、健康保険でみている療養までも「保険外」とする可能性がある
  • 混合診療が導入された場合、保険外の診療の費用は患者の負担となり、お金のある人とない人の間で不公平が生じる
  • 医療は患者の健康や命という、もっとも大切な財産を扱うものであるため、お金の有無で区別すべきものではない、「保険外」としてとり扱われる診療の内容によっては、お金のあるなしで必要な医療が受けられなくなることになりかねない

混合診療が認められる特例ってないの?

HIRO

上記のデメリットは、たしかに説得力はありますが、一方で未承認である医療行為(薬剤や材料も含む)が保険適用されるまでには、相当な時間と労力を要することも事実です。そのようなデメリットを回避するために、特例的に次の2つの項目においては、いわいる混合診療である、保険診療+保険外診療の併施が認められています。この場合、保険外診療は全額患者負担(10割負担)となります。

<先進医療>

  • 有効性と安全性を確保する基準を定めた上で、厚生労働大臣が認めた保険未承認の技術
  • 実施できる医療機関は限定的

<患者申出療養>

  • 患者からかかりつけ医等に相談をして「患者申出療養」に関する国の会議の審査で認められた、保険未承認の技術
  • リスクが低い治療法で、更に医療機関での実績がある場合、身近な医療機関でうけることができる
HIRO

ただし、全ての未承認医療行為が先進医療・患者申出療養として認められているわけではありません。各技術の詳細は、以下の厚生労働省のホームページを参考にしてみてください。

先進医療の各技術の概要(厚生労働省)

患者申出療養の各技術の概要について(厚生労働省)

+この記事がお気に召されたらハートをクリックして「いいね」をお願いします+

シェアしてね!