『チームSTEPPS』(まとめ)

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チームSTEPPSは、医療業界では医療安全にかかせない概念として有名ですが、そのコミュニケーションにかかるノウハウは医療業界のみならず、一般企業内や日常生活の中でも活かすことができるため、簡単に概要をご紹介します。

チームSTEPPSとは

医療の質・安全・効率をより向上させるためのチームワークの形や方法のこと

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まず初めに、「チーム」・「リーダーシップ」・「状況モニター」とは何かを考えてみます。

チームとは何か?

共通の目標に向けて、適宜に適応性をもって総合協力しあう2人以上の人間の集まりであり、それぞれが特定の役割または機能をもち、期間限定で参加している

リーダシップとは何か?

組織やチームを牽引する能力のこと

状況モニターとは何か?

チームの状況を把握する能力のこと

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それでは次に、チームSTEPPSの具体的な内容を考えてみましょう。

パフォーマンスの高いチームの特徴

・メンタルモデル(個々の経験などから私達がもつ信念・固定観念・印象など個々人の中にある物事に対する理解・考え)を共有している

・明確な役割と責任を持っている

・資源を最大限に活用している

・チーム内に強力なリーダーが存在する

・定期的なフィードバックを徹底している

・協力・調整の仕組みを作り上げている

・パフォーマンスの結果を管理し、最大限に活用している

チームワーク向上のための取り組み

①チームを招集する

②リーダーを決める

③チームの目標とビジョンを確認する(自由な発言・質問を推奨)

④役割・責任を割り当てる

⑤チームメンバーの責任を確認する

⑥チームメンバー間で積極的に情報交換する

⑦フィードバックを行う

⇒個人ではなくチームとしての評価へパラダイムシフトする

チームの活動を阻害する要因

・チーム内の一貫性の欠如、時間不足、情報共有不足、権威勾配、保身

・先入観、様々なコミュニケーションスタイル、対立、疲労、仕事量

・調整とフォローアップの不足、注意を阻害するもの

・兆候や合図の誤解

・役割の明確性の欠如

優れたリーダーに必要な能力

①チームメンバーのニーズを良く予想し、それらのニーズを満たすリソースを効果的に管理するため、リーダーは状況を常にモニターしなければならない

②リーダーはチームメンバーが模範とする適切な行動を、効果的なコミュニケーションよって推進し、メンバーがその行動を実践した時にはそれを強化し、称賛しなければならない

③リーダーは相互に支援する行動をロールモデルとして示し、そのような行動を強化することで、相互支援の環境は育まなければならない

リソース(資源)マネジメントについて

①利用可能なリソースと必要なリソースを特定する

②遂行する必要があるタスクの優先順位を決定する

③チーム内またはチーム間で協力し、リソースの使用計画を作成する

④その計画で生じ得る問題を予想する

⑤必要に応じて計画を修正する

委任(役割・割り当ての再分配)について

①委任する内容を決定(優先順位・必須業務の有無、業務の要件、及びリソースの利用可能性)

②委任する相手を決定(スキル、利用可能な時間、業務範囲を考慮)

③何を遂行する必要があるか、期待されることを明確に伝える(遂行すべき業務に加え、その手順・計画も伝える)

④フィードバックを求める(業務の完了と結果を確認する、功績を評価する)

⇒委任はチーム内、またはチーム間でも行われる

チームの状況をモニター(把握)する方法

①状況モニターには、状況を継続的にモニターし、得られた状況認識を仲間のチームメンバーと共有しようとする意志と能力が必要である、したがって協力的な行動やロールモデルとなる行動をリーダーが奨励する「リーダーシップ」を示すことで、状況モニターを向上させることでできる

②状況モニターは、チームメンバーの責任を明確に把握し、他のチームメンバーのニーズを予想する能力を通じて「相互支援」を可能にする

③状況モニターは「コミュニケーション」によって影響される、コミュニケーションによって、新たに生じた情報を他のチームメンバーと共有し、共通のメンタルモデルを維持できる

相互支援向上とコミュニケーションの向上のためには

相互支援向上への行動指針

・業務支援を支持する環境を育む

・建設的なフィードバックを迅速に提供する

・患者の代弁者(患者養護)として行動する

・2回チェレンジルール(不安なことは2回までは確認する)、CUS(気になります、不安です、安全の問題ですの3つをキーワードにコミュニケーションを行う、ちなみにCUSは、Concerned・Uncomfortable・Safety issue=の頭文字よりCUS)、DESCスクリプト(①客観的な事実や状況を述べる→②自分の意見や感じていることを述べる→③相手にしてもらいたいことを明確な言葉で伝える→④提案されたことが実行されたときと、されないときの結果を述べる)を用いて、コンフリクト(対立)を解決していく

・協働を通じてコンフリクトを解決する、三者が満足できる状況「win-win-win」(患者―チームメンバー―チーム全体)をつくりだす

コミュニケーション向上への行動指針

・効果的なコミュニケーションを行う

・利用可能なすべての情報源から情報を探す

・情報を検証し、共有する

・日常的にコミュニケーションツールや戦略を実践する(SBAR(状況、背景、評価、提案と依頼)、コールアウト(大きな声で伝える)、チェックバック(繰り返して確認する)、引継ぎ時のハンドオフ(引継ぎ時を次の順で行う、①自己紹介⇒②患者⇒③診断⇒④状況⇒⑤安全⇒⑥背景⇒⑦行動⇒⑧時機⇒⑨責任者⇒⑩予測)

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医療安全では、患者の命の安全が最優先され失敗は許されないため、自身が少しでも不安や疑問に思ったことは些細なことでも主張することがベターとされています。その主張内容を相手に伝わりやすく、またチーム全体で共有しやすくするためのテクニックがチームSTEPPSでは展開されているんですね。

参考文献:種田憲一郎『チーム医療とは何ですか?―エビデンスに基づいたチームトレーニング:チームSTEPPS―』、中外製薬株式会社、2012年

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